「ザ・デジモン NEW COLLECTION」企画開発者インタビュー!
2021/11/22
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Vol.3、Vol.4の予約が開始された「ザ・デジモン NEW COLLECTION」について、企画開発を務めるお二人にインタビューをしてきました。


斎藤洋太さん(写真左):株式会社バンダイ トイディビジョン ブランドデザイン部所属。過去に多数のデジモングッズを担当。

寺川 亮さん(写真右):株式会社バンダイ トイディビジョン ブランドデザイン部所属。別部署でプロモーションを担当し、異動で「ザ・デジモン」を担当することに。

デジモンパートナーズスタッフ:デジモン好き20代。


「液晶玩具内に登場するデジモン」の立体化

スタッフ:今回の企画の立ち上げの経緯を教えてください。


斎藤:私たちの所属するブランドデザイン部は、主に男児系キャラクターのおもちゃの企画・開発を行う部署です。その中でも私と寺川は新しいIPの商品企画、開発にチャレンジしています。今回は「バイタルブレス デジタルモンスター」も発売し、ますます盛り上がっているデジモンを立体物の商品という視点から新商品にチャレンジしたいと思い企画をスタートさせました。


スタッフ:最初から「立体物」という考えで始まったんですね。


斎藤:はい。これまで、「デジモン」の立体物は各事業部やグループ会社を含めて発売しています。「デジモン」ファンはファン歴が長い方が多いので、新しいフォーマットでフィギュアを出すより、今回の企画は「懐かしい!」と思ってもらえるようなアイテムが良いと考えたんです。僕も昔から「デジモン」のファンだったこともあり、子どもの頃に「ザ・デジモン」をたくさん集めていた記憶がありました。飾って楽しい、集めて楽しい本商品を、今のユーザーさんに向けて復刻させたら喜んでもらえるのではないか、というのが開発のきっかけになっています。


スタッフ:2年ほど前に「デジタルモンスター アートフィギュレーションズ」というものも出ていましたが、どのような違いがあるのでしょうか?


斎藤:「アートフィギュレーションズ」は、「デジモン図鑑のイラストを立体化する」というコンセプトでやっていました。今回の「ザ・デジモン NEW COLLECTION」は、「デジタルモンスター」の檻に入っている意匠、「液晶玩具内のデザインを立体化したらこうなる」という、昔のコンセプトをしっかり踏襲しています。また、「アートフィギュレーションズ」とは違うデフォルメのデザインやラインナップとなっているので、「懐かしさ」と「新しさ」を感じられる意味合いがあるかなと思っています


スタッフ:当時の「ザ・デジモン」の魅力はどのようなところでしょうか?


斎藤:「ザ・デジモン」は、アニメの主要キャラだけではない液晶玩具「デジタルモンスター」のキャラクターとして立体化しています。なので、様々なデジモン達がラインナップに入っているのも魅力のひとつです。あとは並べた集合ざまが面白いと考えているので、今回の「ザ・デジモン NEW COLLECTION」でも、複数体のセット販売というラインナップの組み方をしています。


「パッケージ」も魅力のひとつ

スタッフ:「ザ・デジモン NEW COLLECTION」で、注目ポイントはどこでしょうか?


寺川:リニューアルのポイントとしては、アニメファンや玩具ファンなど、できるだけ多くのファンに喜んでもらえるようなラインナップを、総合的に判断してチョイスしたことです。 あとこだわりとしては、パッケージの雰囲気に力を入れています。僕は当時買っていた「ザ・デジモン」をなぜかパッケージに入った状態のまま保管し続けていて、このまま飾っていたんです。なので、このパッケージデザインこそが「ザ・デジモン」を象徴していると思っていました。ですので、20年前初めて手にとった感覚が蘇るように、出来る限り再現したいという気持ちがありました。

(左:1998年発売版 右:2021年発売版)

スタッフ:僕もなぜか、親に「ザ・デジモン」を買ってもらったことはしっかり覚えています。パッケージが良かったからかもしれませんね。


斎藤:昔のパッケージながら、今見てもカッコいいんですよね。なので、「ザ・デジモン NEW COLLECTION」は、パッケージ含めての商品だと考えて復刻をしています。ラインナップの話に戻ってしまいますが、Vol.1では当時の復刻に加えてアニメ『デジモンアドベンチャー02』から「ブイモン」「パイルドラモン」を、Vol.2だとアニメ『デジモンテイマーズ』から「ギルモン」「デュークモン」を入れ、それとは別軸で「バイタルブレス」の主役デジモンの3種セットで、第一弾の商品として企画しました。今回発表したVol.3、Vol.4についても、懐かしのキャラクターに加えて、当時収録されていなかったが、兼ねてよりお客様から商品化の要望も多かったデジモン達を新規造形で追加しました。


スタッフ:復刻と新しいデジモンでのセットで、ラインナップの構成を考えているんですね。


斎藤:僕も過去に多数「デジモン」の商品を担当させていただきましたが、特に「ザ・デジモン NEW COLLECTION」は「復刻」で、変にアレンジをしない方が良いと思ったんです。もちろん、ただの復刻ではなくて、デザインやディティール、彩色などは、当時品と比較しながら改良を存分に加えています。


寺川:あと、よく見比べたら少し違うんですが、例えば歯のボリュームや、爪のサイズ感に強弱を付けたりとか。当時でもかなりクオリティは高かったのですが、それをもっと今の視点と技術で、パワーアップさせました。


スタッフ:20年経ったクオリティアップは、どのような部分でしょうか? 


寺川:溝が甘く半端になっているところなどを、ディティールを細かく表現できています。20年経ったことで、原型での表現自体はもちろん、金型に対する知見が高まったことで、金型へのアプローチが素晴らしくなったからこそのクオリティアップかもしれません。

(左:1998年発売版 右:2021年発売版)

  

斎藤:彩色も、綺麗に色が入るようになり、グラデーションがうまく表現されています。Vol.2のメラモンとかは特にそうですね。あと造形では、当時品を並べて見ながら、もっと良くできる箇所に調整をかけています。例えばヌメモンともんざえモンですが、当時はサイズ感が同じだったんです。実際デジモン同士だともうちょっと大きさに大小があると思い、もんざえモンを大きくしヌメモンを小さくして、デジモンとしての納得感を出せるようにしました。


スタッフ:確かに、サイズ感がしっくりくるように思えます。


立体化の研究を重ねた新規ラインナップ

斎藤:「ザ・デジモン」は当時から、デフォルメとして秀逸でした。なので、今回の新規ラインナップは、当時の造形に負けないように立体化の研究を重ねました。


寺川:Vol.3、Vol.4について、特に人気の高いオメガモンとベルゼブモンはアニメを何度も見直して研究しました。


斎藤:まず、檻に入るサイズの等身で考えなければなりません。成長期などはしっくりくるのですが、オメガモンやベルゼブモンなどの進化形態は表現に四苦八苦しました。新規造形のデジモンに関しては、プレックスのデザイン担当の方にデフォルメしたときのビジュアルをすべて起こしてもらいながら、協力して制作していました。

(ザ・デジモンNEW COLLECTION Vol.3、Vol.4)

  

スタッフ:寺川さんが特にこだわった部分はどこでしょうか?


寺川:変なこだわりなのですが、檻の遊びもパワーアップさせています。当時は檻の上からフィギュアを取り出す仕様になっていました。「檻の中に入っている」という設定の中で、扉から出られないのは苦しそうだなと思ったので、扉が開くように変えたんです。そうすると積み重ねてディスプレイしたときでも、中身が取りやすく入れやすくなるので、飾るのがより楽しくなったと思います。


斎藤:そのために、設計も全部見直していますが、過去の檻とも遊べるようにしています。


寺川:家にある昔のやつを引っ張り出していただき、くっつけてもらえれば(笑)。

スタッフ:造形はどうように作られているのでしょうか?


斎藤:当時品のラインナップについては、一度360度スキャンを行い、3Dの設計データ化した上で、さっき言ったような調整をしています。新規のデジモンは0からの設計になりますので、デジモン図鑑イラストやアニメ設定画からデフォルメナイズしたイラストを起こし、そこから原型を起こしています。 


スタッフ:どちらも3D原型なのですね。


斎藤:実は、3D原型と手原型どちらも使用しています。既存のデジモンと新規で複雑な構造のデジモンに関しては3Dデータで作り、成長期などのカワいく表現したいキャラクターではあえて手原型で行っています。表現したい在り方によって、作り分けをしているんです。エレキモンやガブモンは手原型です。


スタッフ:今後のラインナップの想定や目標はありますか?


寺川:もともとのコンセプトはぶれないようにしつつ、たくさんのラインナップを出せると担当としては嬉しいと思っています。とはいえ、まずは皆さんに喜んで頂かないことには始まりません。是非、応援を宜しくお願いいたします。また、ザ・デジモンに留まらず、デジモンの立体物にはチャレンジしていきたいと思います。ダイナモーションという新ブランドも立ち上がりましたので、こちらも皆様ご期待ください!

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ヘクセブラウモンとガイオウモンをラインナップしてほしいです
これからも頑張ってください
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いいね ほしい びっくり ありがとう
2021/12/19
フィギュアの造形には改良が必要だ
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2021/11/27
お疲れ様です!
今後もメジャーからマイナー、主役悪役問わず色んなラインナップに期待してます!
ただ、欲を言えばセットではなく個々のデジモンが単体でも変えるように望んでおります。
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2021/11/22
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